6.アルバカーキでチリ三昧

遅れて日本を出発したアイちゃんとアルバカーキで合流するため、ツーソンを後にした。

i10をひたすら東に走る。相変わらず砂漠が広がるがそこに生える植物の様子は少しずつ変わってきてやがてニューメキシコ州へとはいる。

ロードスバーグを過ぎたあたりでガソリンをいれ、その隣のダイナーで食事をとった。

I10の脇にぽつんとあるそのダイナーは女性二人でのんびり営業している小さな店だ。

吹き抜ける砂漠の風の中たたずむその店は安っぽい造りだが、なんともいごごちの良い店だった。
店の壁には、旅行者達がサインをし記念に残していった紙幣が沢山貼られていた。

ほとんどが$1札だが、中には高額の紙幣もちらほらあった。

外国の紙幣も少しあったが,日本の紙幣は見あたらない。

早速私たちは、千円札に三人でサインをし、貼ってもらうことにした。

ウエイトレスの女の子「このお金は何ドル位なのか」という問いに答えたら、高額なことに驚かれてしまった。

さすが金満王国の日本人などと思われるのもばつが悪い。

これが日本では一番少額の紙幣で、3人の割り勘であることをしどろもどろと言い訳するはめとなってしまった。


I10からI25にはいり北上すればアルバカーキだ。

アルバカーキの街はルート66(現在のセントラルSt.)を中心に広がっている。

街の中心には素敵なバーやシガーショップ、レストランやクラブなどが建ち並び遊ぶ場所には事欠かない。

ダウンタウンを抜けるとすぐ、ルート66の左側にはオールドタウンがある。

ここはサンタフェスタイルのしゃれた家並みの街で、おみやげもの屋が多く、観光客で賑わっている。

午後一杯ここをぶらついて過ごしたが、とてもすべての店を見ることは出来ない。

ここにはチリ(唐辛子)に関連する商品を専門に扱う店が何軒かある。

タバスコのようなホットソースが数え切れないほど置かれ、チリの模様のTシャツ、パンツ、ソックス、エプロン、バッグ食器、紙ナプキン。。。。何もかもがチリづくしだ。

ホット・ソースをコレクションしている私は、ここで大量に買いまくった。

それでも、とてもすべてを買うことは出来ず、泣く泣くビデオに納め、またこの店を訪れることを心に誓った。

今まで経験したことのない様な、地獄的な辛さのものも入手した。

これは今、カフェカボサンルーカスで勇気ある人達の人気ものになっているが、あまりの辛さのため、一向に量が減らない。


オールドタウンに6時過ぎまでいたが、その時間になっても陽が高くとても暑い。

夜のことを考えるには早いような雰囲気だが、とりあえずモーテル探しに出かけた。

せっかくなら、いかにもルート66沿いのモーテルっといった感じのノスタルジックな古びたモーテルに泊まりたいと車を走らせていると、あった!しかも安い($18)!

が、駐車場に車を入れるやいなやマルちゃんはいきなりUターンした。

駐車場にあった車が皆、あまりにボロく、ライトが全くなくなっている車まである。

砂漠を旅して来た汚れきった私たちのレンタカーも高級車に感じる。

そして、モーテルをうろつく人達ときたら、各人種代表の怪しい人大集合といった感じ。

”安かろう、危なかろう!”とつぶやきながら、早々にこのモーテルを逃げ出し、オールドタウン近くの”KingsInn”といとった。
 
夜、アイちゃんを迎えに空港に行った。

しかし、フライトインフォメーションにはアイちゃんが乗っているはずのデルタ航空の便が表示されていない。

とにかく待っていると、違う便が到着したときに見覚えのあるアイちゃんのバッグが出てきた。

なんでかな〜と思いつつまたひたすら待ったが、荷物だけでアイちゃんの姿は一向に見えない。

空港職員に確認してもらったら、アメリカン航空でこちらに向かっているという。
乗るはずだったフライトはキャンセルになったらしい。

深夜に一人で到着するのはさぞ不安だろうと、私たちは隠れてその不安気な姿をビデオに撮ることにした。

インフォメーションの掲示でアメリカン航空の運行状況をチェックしていると肩をたたく人が。。。あれっアイちゃん。

掲示ではまだ到着していないはずのアメリカン航空はすでに着いていたのだった。
作戦はあえなく失敗。。。

アイちゃんはフライトが変更になったりして、絶対不安だったに違いないのに、「俺は最強のトランジット王だから大丈夫だ」などとうそぶいていた。

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