11.猿の惑星・レイクパウエル

モニュメントバレイをでたあたりで早めの夕食をとった。

夕食後は、夜のドライブとなるがレイクパウエルまで行き着きたい。

まずは腹ごしらえだ。ここの料理にはとにかくびっくり。

あまりにまずいのだ。

旅行中、食事は当たり続きで美味しいものばかりを食べてきた私たちはげっそりしてしまった。

シェフサラダなんか、調理用のアルミボールにそのまま出てくる。

乾ききった生野菜が山盛りで。。。

ショウちゃんが注文したナバホ・タコスだけが美味しかったようだ。
夕食後、アイちゃんは無言。あまりの夕食のまずさに腹が立って口もきけないらしい。

田舎のレストランだしだし、冷凍食品だけでつくった料理なんだから仕方ない、安かったし。。。とみんなでなだめながらレイクパウエルに向かった。

深夜レイクパウエルに到着。ここでは宿探しに苦労した。

人気の観光地なのか、モーテルは沢山あるが、どこも満室なのだ。
一軒のモーテルで、提携している他のモーテルを紹介されて、どうにか宿を確保した。

が、ここのおばちゃんの説明が不親切でそのモーテルがなかなか見つからない。

このおばちゃんに限らず、レイクパウエルでであったおばちゃんは無愛想だった。

深夜や早朝の仕事や、沢山の観光客にうんざりしているのか、とにかく生活に疲れている感じ。

こんな綺麗な所に住んでいるのに。。。

翌朝出会った、タコベル(タコスのファーストフード店)のレジのおばちゃんも、全く人の言うことを聞く気がなく、簡単な注文に苦労した。

モニュメントバレイ近くのレストランで悲惨な夕食




レイクパウエルの生活に疲れたおばさん
レイクパウエルでバス釣りをするのが、一番の旅の目的だったアイちゃんだが、間抜けなことにここまで来て、バスボートがチャーターできない。

何日か前に釣りの大会があったばかりで、釣り客がおおく、ボートは予約でいっぱいだったのだ。

予備調査の甘さに泣くしかない。

アイちゃん以外の3人は遊覧船に乗ってみる事にした。

その間アイちゃんは、浜から投げ釣り。

浜からでは釣れないとわかっていても、どうしてもレイクパウエルで釣りがしたかったらしい。

悲しい釣り師のサガというか、美しい釣りへの情熱というか。。。まぁ、好きにして下さい。

レイクパウエルはダムにより人工的に作られた巨大な湖だ。

その景色はとても不思議な感じ。あるべきでないものが、目の前に存在する奇妙な感覚。

目の錯覚か、SFの世界に迷い込んだのか。。。。

乾ききった岩の砂漠の中に、忽然と青々と澄んだ湖面が広がっている。

この砂漠は「猿の惑星」のロケに使われたらしいが、確かに宇宙的景観。

未知の惑星に降り立ったかのようだ。

船で湖上に出ると、一層その感じは強まる。

そそり立つ不毛の岩山の壁をなめる澄んだ水は神秘的なグリーンに反射している。

その光を見つめていると、船のエンジン音や会話のざわめきもとうのいて一人遠い惑星にでもいるような気がしてくる。

湖上の風に身震いし、はっと我に返ると、賑やかな遊覧船の上なのだが。

釣り人ならずとも、一度は目にする価値のある湖だ。

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