Cabo San Lucas Story

砂漠をなめると。。。
ホテルカリフォルニアを見にトドサントスに行った
帰り道、せっかくここまで来たのだから、有名なサ
ーフスポットを見ていこうということになり、街で
道を聞いて再び車に乗った。海は国道からも見える。
大した距離では無いはずだ。

それらしい標識を見つけてビーチに向かう脇道に入
った。砂漠の中のダートロードだ。途中、細い道が
何回も交差しているがもちろん標識は無い。どこも
同じ様なサボテンと灌木の茂る砂漠が続く迷路の様
だ。

道を尋ねたトドサントスの売店
突然路面が砂に変わった。しかし踏み固められてい
て硬い。と思ったのもつかの間、砂の柔らかいとこ
ろでスタックしてしまった。うー、がっくりである。
車をゆらすが一向に出ない。かえって掘ってしまい、
ますます重傷だ。でも、大丈夫、ジャッキがあるか
らねー、とジャッキを取り出す。
しかし、不幸は続いた。

ワーゲンのジャッキは車体のジャッキ用の穴に差し
込まなければ使えないのだが、運の悪いことにスタ
ックしたタイヤ側の穴が潰れているではないか!
日本で車の整備を仕事にしている竹ノ内君は愕然と
する。優秀な技術者も道具も何もない砂漠の中では
手も足も出ない。「せめて、石でもあればなぁ。た
たいて穴を広げるのに。。。」とぼやく。
しかし、砂漠に石はなかなか無い。

人間ピンチになると色々なことを思いつくものであ
る。灌木を集めてひいてみたり、腹這いになって砂
をかきだしてみたり、しまいには飲み水をまいて砂
を固めたりもしてみた。でもだめである。

私は仕方なく、砂と格闘する男達を後に残し、当て
もなく何か役に立ちそうな物はないかと砂漠を歩き
出した。一人で迷ってしまったら大変なので、目印
になりそうなサボテンや木を頭にたたき込みつつ進
む。しばらく歩くと、あった、石があった。
でもちょっとでかい。重くてやっと持ち上げる。
「これ、一人であそこまで運ぶのぉ、やだなぁ」と
思いつつ、肩に担いでもって帰る。私って頼れる女
なのである。

「石があったよー!」と帰ると、竹ノ内君の顔が明
るくなった。石をみてこんなにうれしそうな顔をす
る人も珍しい。「今度の誕生日プレゼントは石にし
よう。」なんて思いつつ、石を手渡す。
これで、うまくいけばジャッキが使えるようになり
そうだ。

このとき、静かな砂漠の遠くからなにやら人の話し
声が聞こえた。どこかにそう遠くない所に人がいる
らしい。再び、助けを求めに砂漠を一人歩き出す。
思った通り、5分ほど歩いた頃に車を見つけた。
サングラスをかけた怖そうなおじさんが2人でビー
ルを飲んでいる。

悪い人かな。やだな。と不安になったが、向こうだ
って砂漠の中から東洋人の女が一人歩いて来るんだ
から、ビックリしたことだろう。もちろん英語は通
じない。しかし、私には表現力豊かなすばらしいボ
ディーランゲージという技がある。どうにか、ピン
チを伝えて助けに来て貰った。

車に戻るとジャッキが使えるようになった所だった。
ナイスタイミング!
砂漠になれたメキシコ人のおじさん達のアドバイス
に従いながら車を穴からだし、何度も切り返してU
ターンさせる。再びスタックしないよう、みんなで
押してどうにか硬い路面へと戻る事が出来た。
顔は怖いけど親切なメキシコのおじさんのおかげだ。

しかしおじさん達、いったい何でこんなところでビ
ールなんて飲んでたのだろう。

こんなに、埋まっちゃって。。

助っ人のおじさん達

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