Cabo San Lucas Story

カーボーイ気分で馬に乗る
日本では乗馬はちょっと高級なスポーツという感じがあって敷居が高いが、
メキシコやアメリカでは馬に乗って観光するホースライディングツアー
なるもののパンフレットをしばしば見かける。車では入れない渓谷や砂漠
を馬でまわるらしい。中にはキャンプをしながら数日間旅するなんていう
ツアーもある。

しかし、まず馬に乗れなければ話にならない。ここカボサンルーカスにも
簡単なホースライディングツアーがある。ビーチ沿いを歩くだけの超初心
者コースと砂漠を2時間ほど歩くコースがあるようだ。
これからの旅のステップアップのためにも、是非乗馬を体験しておきたい
と、超初心者向けの簡単コースに参加してみることにした。

私たちが乗馬をしたのは、カボの街の入り口にある闘牛場のホースライデ
ィングだ。まずは、闘牛場の中で馬に乗せられ、簡単な説明を受ける。
そして闘牛場の中でちょっと練習する。マルちゃん以外は皆初めての経験
で緊張気味だ。「アレ!」とかけ声をかけて腹を蹴れば馬は歩き出し、「
ホー」と声をかけて手綱をひけば馬は止まる。いたってシンプルなのだが、
馬になめられているのかなかなか言うことを聞いてくれない。

10分ほどの短い練習の後、ビーチへ向かう。ガイドのお兄さんの馬の後に
、私たちの馬が続く。しんがりには、もう一人ガイドのお兄さんがいてサポ
ートしてくれる。
どきどきしながら、国道を渡りビーチへ。
時々馬が立ち止まってしまう。「なんだ
よー。歩けー!」と焦るが、これは馬の
ウンコタイムであった。どの馬もよくウ
ンコをする。

砂浜に到着したとたん、マルちゃんの馬が
寝ころんでしまった。馬上のマルちゃんは
面食らっている。砂浴びがしたかったのだ
ろうか?しかし、人を乗せたまま寝ころぶ
とは、なめた馬だ。

勝手な行動をとったマルちゃんの馬を見習い、今までおとなしかった私の馬
もいきなり帰ろうとする。ガイドのお兄さんが、乗っている私が落ちそうに
なるほどの容赦ない蹴りを馬にくらわせたら素直になった。やっぱり、馬に
なめられてはいけないらしい。

長い海岸線を往復する。折り返して帰って来る頃にはみんな少し余裕が出て
きた。余裕が出過ぎて退屈したマンジくんが、馬の腹をおもいっきり蹴ると
馬がすごいスピードで駆けだした。すると他の馬までつられて走り出す。み
んな大慌て、ガイドのお兄さんまで泡食って追いかけてくる。どうにか馬を
止まらせて、また歩き出す。するとマンジくんがまた馬を走らせる。つられ
て、他の馬も。。。。帰り道はずっとこんな調子で、怖いのにみんな笑って
いた。
何故か、ガイドのお兄さんに手綱を取られたままのショウちゃんだけが、この
大パニックに参加できず不服そうだった。しかし、ショウちゃんの馬が走って
いたら、ショウちゃんは落馬して、メキシコに墓を作る羽目になっていたかも
しれない。さすがプロ、ガイドのお兄さんも人を見る目がある。

マルちゃんの乗った馬は、帰り道でしゃっくりは始める、泡はふくと大変だっ
た。なまじっか、馬に乗ったことがあるなんて言ったせいで、こまった馬をあ
てがわれたらしい。

初心者コースでも、ホースライディングはエキサイティングで楽しめた。
というより、なめてかかってこれより上のコースに参加しなくて良かったと言
うべきか。ホースライディングに参加して学んだことは、次に馬に乗るときも
「初心者です。」と言った方が良いということだ。

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